大企業は倒産しないから大丈夫?
「大企業に入社すれば将来安泰、は昔の話」というのは通説ですが、大企業にいる人は未だにこの通説を信じている人が多い印象を受けます。
私の周囲を見渡しても、例え自分の会社に粉飾決算があっても、主力商品の売上が激減していても、
という楽観的な大企業の人が多く、驚きます。
確かに大企業が倒産することはまれかもしれません。しかし短期的には基本給やボーナスが下がることは確実です。長期的に見れば、自社の評判が落ちる、業界全体の売上が下がることは自分のキャリアに確実に影響を及ぼします。
転職活動を通して、自分の市場価値を知るべし
自分の会社が下降線をたどっていても、なぜ「のほほん」としていられるのか?それは自分の市場価値を知らないからです。
転職活動をすれば否が応でも、自分の世のなかでの市場価値を突き付けられます。大企業で800万円の人が、転職しようとしたら400万円の案件しかない、ということも十分あり得ます。
今後は1社で人生を全うすることが不可能な時代です。転職を通してスキルや年収をUPさせることが常識になってきています。
大企業の人が、早めに転職を経験すべき理由をお伝えします。
早めに転職すべき理由3選
1.ジェネラリストの限界
大企業では3-5年ずつ部署をローテーションさせて、ジェネラリストを育成していきます。大企業の友人も、会う度に部署が変わっていて驚きます。
そこで考えて欲しいのは、「あなたは何ができる人なの?」ということです。
終身雇用の時代はジョブローテーションは機能していました。「あの部署にもこの部署にも知り合いがいる」という人は重宝されたかもしれません。
ただ、今後はジョブ型採用の時代です。職務記述書(ジョブディスクリプション)に細かく定義し、特定の業務に限定して採用します。「webマーケティングが得意です」のような、特筆すべきスキルがある人が、評価されるようになります。
ジョブローテーションをしていると、結局広く浅く知らず「得意なことはない」人になりがちです。入社10年目でも、部署1年目だと新人扱いになります。このようにキャリアをリセットするジョブローテーションを繰り替えることで、市場価値は低下していきます。
今後のジョブ方採用の時代においては、ジェネラリストの評価は低くなります。早めに自分の強みとなるスキルを見つけ、不要なローテーションのないジョブ型採用の会社においてスキルを高めていく方が効率的です。
2.転職への耐性が低下
長年同じ会社にいる人にとって、初めての転職はハードルが高いです。転職するときには、人間関係や前職での常識を全てリセットする必要があるからです。
年功序列の会社は競争がないために、仲良しこよしの会社も多いです。そのような人が仲良しの集団を抜け出して、誰も知っている人がいない会社に行って、1から人間関係をつくるモチベーションが果たしてあるのでしょうか。
また、大企業から転職してきた人で、新しい会社のやり方やシステムに対して、「前の会社はxxだったのに」と持ち出してしまう人も多いです。
大企業からの転職においては、30前後が限界なのではないかと思っています。私は管理職で年上を指導する立場も経験していますが、30歳以降になると全てをリセットできる柔軟性が低下してきます。
転職する気が少しでもあるならば、初回転職は早めに経験すべきでしょう。
3.リストラにあう前に去るべし
近年、大企業が相次いで早期退職を募集しています。現在はコロナで赤字になっている企業が多いですが、黒字時代から早期退職は増加していました。
周囲の20-30代では、
という人が多いですが、10年後にはあなたも対象になります。対岸の火事ではありません。
早期退職のターゲットになってから、転職活動を始めても「時すでに遅し」です。自社で早期退職が開始した、あるいは開始しそうとなった時点で、転職活動にかじを切るべきです。
早期退職となるのは賃金が高い40-50代なので、あなたが20-30代の場合は彼らよりも金銭的に転職のハードルは低いです。初回はハードルが低い方が良いので、若い段階での転職活動をオススメします。
さいごに
本日は早めの転職活動を推奨しましたが、下記のとおり転職活動の必要がない人もいます。
- 出世街道に乗っている人
- 定年まで逃げ切れそうな人
「1.出世街道に乗っている人」は、次の会社でも出世街道に乗れるとは限りません。今の会社で出世できるならば、その波に乗りきる方が安全です。
「2.定年まで逃げ切れそうな人」は40-50代で、定年までリストラされずに残れる人です。もし転職先がなさそう、且つ定年まで居座れるならば、もう逃げ切った方が良いです。
他の方々は、本日述べたように、ハードルが引くいうちに早めに転職することをオススメします。年収のハードルが低く、変化への順応性が高いうちに、行動しましょう。
こんな記事もあります。
早期退職を打診された方へ。不利な状況を覆すためには、ありのままのネガティブ転職理由ではなく、ポジティブ転職理由が必須です。

転職活動がうまくいかなくて精神的に参ってしまった時は、息抜きをしましょう。

面接通過率が低くて落ち込んでいる時には、面接の戦略を見直しましょう。

