コンサル業界への就職が人気
近年、学生の間ではコンサル業界への就職が人気です。東大・京大生における「就職先人気ランキング」では、上位10社中、コンサル業界が8社を占めています。(9位は同順位)
順位 | 業界 | 企業名 |
---|---|---|
1 | コンサル | アクセンチュア |
2 | コンサル | マッキンゼー・アンド・カンパニー |
3 | コンサル | 野村総合研究所 |
4 | コンサル | アビームコンサルティング |
5 | コンサル | KPMGコンサルティング |
6 | コンサル | ボストン コンサルティング グループ |
7 | コンサル | ベイン・アンド・カンパニー |
8 | 商社 | 三菱商事 |
9 | 商社 | 三井物産 |
9 | コンサル | デロイト トーマツ コンサルティング |
出典:ワンキャリア「【6/1速報:東大京大・21卒就職ランキング】マッキンゼーを抜いた1位の企業の意味/人気ベンチャー新御三家 など」
イマドキの学生はコンサル業界について事前に勉強しているようですね。私は全然知りませんでした。(笑)
1社目はなんとなく知っている業界に就職してしまいがちですよね。私もそうでした。そして、入社1か月後に会社のヤバさに気づきます。
時すでに遅し…人生終了…。
…ではありません。ご安心ください。私自身も1社目から1年弱で逃亡し、2社目にコンサル会社に転職しました。
コンサル業界について全然詳かったわけではありません。当時の私よりは、イマドキの東大・京大生の方が100倍詳しいと思います。
私がコンサル業界に転職きっかけは、勝間和代さんの本です。転職活動に苦戦しているときに偶然読み、
という軽いノリで受けて、偶然受かったので入社したのが経緯です。
そんな無知な状態でコンサル業界に飛び込んだ私が、異業種転職についてメリット・デメリットを説明いたします。
- 早く成長できる
- 優秀な人が多い
- 高収入
- フラットな人間関係
- 休みがとりやすい
- メンタルが強くなる
- 重労働
- パワハラ上司が多い
- 給与差が凄まじい
- 昼夜問わず、集団行動
- 仕事ができない人は暇
- メンタルが弱いと地獄
メリット6選
1.早く成長できる
1年働いてみればわかりますが、とにかく早く成長できます。なぜなら、inputとoutputの機会が多いからです。
基本的に人手不足のため、仕事量が多いです。よって、まずITスキルが身に付きます。
先輩は凄まじいスピードでExcelでデータをいじり、PowerPointでスライドを作りまくっていきます。それに追いつくために試行錯誤する中で、ITスキルはかなりのスピードで身についていきます。
研修メニューも豊富です。先輩コンサルによる研修はもちろん、外部講師による研修を受けることもできます。人が資本ということもあり、1人あたりの研修費用は膨大です。
クライアント先に訪問、常駐する機会も多いです。初めは議事録担当なことが多いですが、先輩のプレゼンや交渉を身近に見ることで、スキルアップへの意欲が湧いてきます。
2.優秀な人が多い
とにかく優秀なバックグラウンドの人が多いです。東大・京大に人気がある業界ということもあり、高学歴集団です。最近だと、海外大学卒の人も多いです。
私は私大文系出身ですが、社内研修で同じチームになった女性に「え、この会社って私大文系の人入れるの?」とか言われました…失礼なやつめ…。
会計士や税理士といった資格、海外MBAホルダーも多いですし、最近は英語ペラペラな人も多いです。
そして皆さんとにかく勉強しています。経済、業界、企業についても詳しいです。また、話が上手な人も多く、プレゼンのプロフェッショナルです。
大企業でよくいる「仕事していないおじさん」はいないので、若手はモチベーションを高く維持できます。
3.高収入
近年事業会社において新卒の初任給は上昇していますが、それでも年収300万円前後です。一方で、コンサル業界では新卒で初任給500万を超えます。
役職 | 年齢 | コンサル経験 | 固定給与 | 業績賞与 |
---|---|---|---|---|
コンサルタント | 22~30歳 | 0~3年 | 500~700万円 | 固定給の10~20% |
シニアコンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 700~900万円 | 固定給の10~20% |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 900~1400万円 | 固定給の10~20% |
シニアマネージャー | 32~45歳 | 5~15年 | 1300~1800万円 | 固定給の10~20% |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2000万円以上 | 業績次第 |
出典:movin「総合系/IT系コンサルティングファームの役職と年収水準」
実力主義のため、仕事ができる人であれば30代でパートナー(役員クラス)になる人もいます。30代で2,000万円以上稼げるとは、夢がありますね。
4.フラットな人間関係
年功序列の事業会社だと、飲み会の座席や支払いにかなり気を使います。また、「上司には絶対逆らえない」という絶対的な上下関係もあります。
一方で、実力主義のコンサル会社はフラットです。飲み会の座席も自由ですし、新人で「私は絶対にお酒を注がない」と宣言する女性もいました。それでも全然大丈夫です。
また、上司の言葉が絶対ではありません。顧客第一主義のため、「上司が言ったから」といった理由で業務を遂行していると、「自分の意志で仕事をしろ」と逆に怒られます。
チームで仕事をすることが多いので、上下関係に気を使うよりもフラットにコミュニケーションをとる方が効率的だという考えが、根底にあるのだと思います。
5.休みがとりやすい
事業会社は自分の担当業務が決まっているので、休暇が取りにくいですよね。自分が休みの間に、他の人が代わりに業務を担当してもらう必要があるからです。
一方でコンサル会社はアサイン制のため、休みをとりやすい傾向にあります。
アサインとは…ビジネスにおいては「任命する」という意味です。コンサル業界においては、新規にプロジェクトを受注する度に、チームを組成する必要があります。
「Aさんを6/1から2か月の間『〇〇プロジェクト』にアサインします」と言われた場合、Aさんは該当期間において、『〇〇プロジェクト』メンバーと共に、仕事をすることになります。
アサイン期間は決まっているため、あらかじめアサイン終了日以降に休暇を設定できます。休暇中に誰にも迷惑をかけることはないので、1週間など長期の休暇を取得する人も多いです。
アサイン期間中に次のプロジェクトを打診された場合も、「このプロジェクト終了後に1週間休暇を取得するので、その後ならば可能です」と、交渉もできます。
自分の業務を誰かにやってもらう必要がないため、産休育休も取得しやすいです。
元々女性の割合が低い業界ですが、産休育休を取得している女性は多いです。また、コンサル業界は女性の管理職や役員が少ないこともあり、取得の推進に力を入れている企業も多いです。
6.メンタルが強くなる
コンサル会社の人達は、遠慮せずにズバズバ言ってきます。私も中途入社した時に、新人がめちゃめちゃ怒られているのにケロッしていたのを見て、驚きました。
特に新人や未経験者の場合は、
という位、ズバズバ言われます。初めは落ち込みましたが、そういう人種だと分かれば、慣れてきます。相手は事業会社や官公庁なので、クライアントの方が全然優しいと感じるくらいです。
指摘される内容は、資料の修正点や仕事の進め方など様々ですが、振り返れば役に立つことが多いです。初めは驚きますが、メンタルを強くもって聞き入れましょう。
デメリット6選
ここからは、デメリットを紹介していきます。今までの記事を読んで、
と思っていた方にも、「こういうデメリットもあるけど、大丈夫?」と念押しになればと思います。メリットの裏返しが、デメリットです。
1.重労働
とにかく長時間働きます。定時という概念は忘れましょう。友達との飲み会、基本的に22時開始orリスケです。
毎日定時で帰れる事業会社の友達の2-3倍の時間は働いているので、メリット①で述べたように、成長も早いはすですよね。
常にコンタクトは渇いてバキバキだし、肩と腰は凝っているし、眠い…(=_=) 寝ないでも生きていける人じゃなければ、キツいです。
平日我慢すれば土日は自由…!ではありません。。。私自身も3連休前の金曜夜に、タスクを振られたことがあります。
旅行にPCは持っていきたくなかったので、旅行出発直前まで寝ずに仕事… 旅行から帰って着たら速攻仕事… 寝ずに出勤… 辛かったです。。。
クライアントの意向で突如タスクが発生するので、プライベートの予定はしょっちゅう潰れます。特に若手のときは上司の意向で土日の宿題も決まるので、プライベートはないものだと思っていた方が心安らかでしょう。
2.パワハラ上司が多い
メリット②で述べたように、優秀な人が多い業界です。彼らが自分とは違う部下、すなわち優秀ではない人種に対してどう思うか…
となるんですね~。某議員の「バカヤロー!」が数年前に話題になりましたが、まさにそれです。優秀な人は、凡人のミスが許せないんですね。
厳しいスケジュールに追われながら、チーム全員で夜な夜な働く中1人足を引っ張る人がいると、プッチンとなりやすいです。
私自身も今までやったことない業務に悪戦苦闘する中、いきなり呼び出され、
とブチ切れられたこともあります…。とにかく「学生時代を含めてずっと優秀、挫折をしらないエリート街道」のような人に、パワハラ気質な人は多いです。気をつけましょう。
3.給与差が凄まじい
メリット③で述べた通り、評価が高いエリート層であればハイパー出世が可能です。ただ、評価が低いと地獄です。
年功序列企業であれば、大体基本給もボーナスも同期と同程度で、差も微々たるものでしょう。ただ、コンサル業界は同期でも給与差は凄まじいです。
エリート層以外は大体横並びなので、「パワハラ上司に遭遇」「炎上案件に巻き込まれる」などの災難で低評価になることも多いにあります。その不運がゆえに、若手でも同期よりボーナスが100万低いこともあります。
実力主義、恐るべしです。デキる人には天国、デキない人には地獄です。
4.昼夜問わず、集団行動
メリット④で述べた通り、フラットな関係ゆえに、ずっっっと一緒に行動なんですね。私は集団行動が苦手なので、息が詰まりました…。
昼にチームでランチ→1つの部屋で残業→夜にチームで夕飯→終電まで1つの部屋で残業、という毎日です。プロジェクトが順調な時ならまだしも、遅延しているときは地獄です。
食事の時も「どこまで行った?」と進捗確認されつつ、ずっとプロジェクトの話をするので、気が休まりません。。。
中高が寮生活とか集団行動に慣れていれば、ストレスが溜まらないんですかね~。
5.仕事ができない人は暇
と思うかもしれませんが、暇=仕事ができない証なので、地獄です。
メリット⑤で述べた通り、アサイン制はエリート層に仕事が集中します。つまり、仕事できない人はアサインされません。いわゆる、「アサイン待ち」です。。。
「アサイン待ち」は良いことがありません。まず、評価が下がります。基本コンサル業界の評価は、稼働率(プロジェクトへのアサイン率)がベースのため、それが7割を切ると最低評価が見えてきます。
また、選択肢がなくなります。アサインが集中するエリート層は仕事を選び放題ですが、「アサイン待ち」の人は貰えた仕事をやるしかありません。
すると、炎上案件に遭遇しやすくなります。皆が断って回ってくる炎上案件を最終的に引き受ける羽目に陥んですね。。。
事業会社における定型業務は退屈な一方、絶対に仕事を失わない安定があります。一方でアサイン制は、仕事できない人はまともな仕事が降ってこないのが明らかなので、過酷な制度ですね。
6.メンタルが弱いと地獄
メリット⑥で述べた通り、コンサル業界にはアタリが強い人が多いです。よって、仕事ができない若手ほど、メンタルがやられます。
若手時代に大手事業会社の友人たちと話していて、皆が「怒られたことがない」と言っているのを聞いて、驚いた記憶があります。確かに大手企業は担当業務が細かく決まっているので、よほどの仕事ができない人でなければ、怒られようがないですよね。
コンサル業界のプロジェクトは、やり方やマニュアルは1つもありません。よって、全てが0ベースで考える必要があります。
また、締め切りに追われることも多いので、みんな切羽詰まっています。つまり、皆が試行錯誤しながら進めていくので、効率が悪い若手は怒られることが多いですし、報告書提出間際には精神的に追い込まれてます。
同僚から心無い言葉をかけられることも多いです。私自身もクライアント先の廊下で号泣したこともあります…(T T)
女性の同僚でも泣いたというエピソードは多く聞きます。男性は泣いた話は聞いたことはないですが、いきなり出社しなくなる人は多いですね。。。
さいごに
やはり、大手企業のゆる~い社風とは全然違いますね。実力主義、それに尽きます。
重労働なので、歳をとってからデビューすると結構きついと思います。20代のエリート上司に怒られる可能性を考えても、30歳がギリギリですかね。
実際、事業会社から30代の優し~い雰囲気の「良きパパ」みたいな人が転職してくると、
と瞬時に思います。
そして、案の定1年以内に辞めます。(笑)
新卒からコンサル業界の人ほど、能面(感情無し)みたいな人多いです。私も10年程度この業界にいるのでもう慣れましたが、転職活動でコンサル業界を受けた友人から、
という意見も良く聞きます。結構クセがあるみたいですね。
とにかく特殊な業界だと思います。別に1回コンサル業界に入ったからと言って、抜け出せないこともないので、少しでも興味があれば若いときに挑戦すべきです。
人生一度きりです、後悔のない選択をしましょう!
