家賃か満員電車かを解決するのが、新幹線通勤
首都圏に住んでいる人は、住宅を選ぶ際に「通勤時間の短さ」を選択する人が多いです。なぜなら、とにかく首都圏は家賃が高いからです。
例えば独身であれば、通勤時間30分程度で1LDKを選ぶと余裕で10万は超えてしまうので、結局は1K住まいを選択することになります。ただ、週5出勤で休日外出することがスタンダードであれば、滞在時間が短いので、特に不便は感じません。
しかし、コロナ渦で在宅勤務が増加し休日に家にいることが増加した今、
と思い始めた人も多いのではないでしょうか。
1部屋に食事、仕事、睡眠の3つが集約していると、仕事モードとプライベートモードの区別をつけるのが難しいというデメリットもあります。
しかし、首都圏で通勤1時間以内で1LDKを探すと、約10-15万円が相場です。女性であればセキュリティ上、オートロックや2階以上などの条件も必要となり、価格は上昇しがちです。
家賃を下げる上でのハードル、通勤ラッシュ
家賃は固定費のため、可能な限り下げたい所です。東京への通勤圏内の関東圏(埼玉、千葉、栃木、群馬)であれば、家賃は1/2から2/3に下げることになります。
しかし、ここで高いハードルが現れます。通勤ラッシュです。
埼京線、東海道線の長蛇の列や満員電車をみると、心が折れます。
且つ、トイレリスクも高いです。私は過敏性腸症候群で通勤途中でお腹が痛くなることが多いので、通勤電車で1時間トイレに行けない場所に閉じ込められるのは無理です。
通勤時間が1時間以上だが、通勤ラッシュに巻き込まれず、且つトイレにも行ける環境はないのか。
その解決策が、新幹線通勤です。
地方移住促進で、新幹線通勤は追い風
新幹線通勤ですが、誰もが選べる選択肢ではありません。下記2つを確認する必要があります。
- 会社が新幹線通勤費を支払ってくれるか
- 移住先に補助金制度はあるか
- 非課税枠15万円に収まるか
1.会社が新幹線通勤費を支払ってくれるか
新幹線通勤費を支払ってくれるかは、会社によります。よって、住む場所など色々調べる前に、まずは「新幹線通勤費は自腹か、会社負担か」を明確にする必要があります。
近年国の動きとしては、都市集中による通勤ラッシュの緩和を目的に、地方移住を促進しています。
よって、新幹線通勤費を負担する企業は増加しています。例えば、Yahoo!では2016年以降、上限15万円で新幹線通勤費を負担しています。(日本経済新聞「ヤフー、新幹線通勤補助を導入 月額で上限15万円」)
2.移住先に補助金制度はあるか
会社が新幹線通勤費を負担してくれないからといって、新幹線通勤を諦めるのはまだ早いです。企業が新幹線通勤費を負担してくれない場合でも、移住先で補助金が受け取れるケースも増加しています。
例えば、栃木県小山市では「小山市新幹線通勤定期券購入補助金」という制度があり、「東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県」から小山に新幹線通勤をする人を対象に、下記補助金を付与しています。付与対象者には条件があるので、各自治体の条件を確認してください。
- (新幹線定期券代 - 新幹線利用区間にかかる通勤手当)×有効月数(約3年間)
他にも、埼玉県熊谷市や栃木県那須塩原市など、都市部の人を呼び寄せるために、各自治体で新幹線通勤費補助の制度は増加しています。
3.非課税枠15万円に収まるか
新幹線通勤費で嬉しいことは、非課税枠であることです。住宅補助を受け取る場合は課税されますが、通勤費は課税されません。
2016年度税制改正で、会社から支給される通勤手当や定期券の所得税の非課税上限が月10万円から15万円まで引き上げとなりました。新幹線通期を促進することで、人口の東京一極集中を避けるためです。
よって、会社が新幹線通勤を負担してくれる場合は、月15万円の非課税枠に収める必要があります。会社の上限額も、この法律に合わせて月15万円までの企業が多いです。
ただし、社会保険料は4-6月の給与+通勤費をベースに算定されるため、新幹線通勤を始めた翌年に上昇するので、覚えておきてください。
在宅勤務により、新幹線通勤のハードルが低下
新幹線通勤が可能だと思っていても、毎日の通勤となるとハードルが高いのも事実です。
特に、電車間隔を懸念する人は多いです。山手線のように3分間隔で電車は来ません。行きは新幹線の時間を目途に家を出ることが可能ですが、仕事が終わる時間は変動するので、新幹線の待ちの時間が生じます。
ただし、ある程度在宅勤務が出来るのであれば、ハードルも低下します。
毎日新幹線通勤は確かに待ち時間が気になるかもしれませんが、週に数回の通勤が新幹線ならば、多少の待ち時間も「社内は座っていられるしいいか」と気にならなくなるのではないでしょうか。
新幹線通勤における、住まいの選択基準
1か月の定期代が15万円以下だと、都市から通勤可能な住まい候補は下記となります。意外に色々な場所から通うことが出来て、迷いますよね。

(出典:東洋経済「通勤電車としての「新幹線」、混雑・本数実力診断」)
住まいを選ぶ際の基準は、下記の3つです。
- 車がなくても生活できる
- 新幹線が止まる
- 観光客が少ない
詳細をご説明します。
1.車がなくても生活できる
カーシェアリングが主流になった現在、可能な限り車の保有は避けたいものです。
購入費に加えて、自動車税や車検等で年間約50万円の出費になります。つまり、週に1週間におけるタクシー代が1万円以内ならば、タクシーを利用する方が安上がりです。
また、今後転職をした場合に新幹線通勤が出来なくなる可能性もあります。その際は車を手放さなければなりません。
車必須の地方であれば購入すべきですが、それ以外の場合はコストになるので、車無しの生活を前提に、住まいを選択すべきです。
独身が東京に新幹線通勤するのであれば、車を保有することなく生活できる住まいは複数あるので、電動自動車だけ用意すれば不自由なく暮らせます。
2.新幹線が止まる
と思う方もいると思います。
ただ、新幹線乗車駅に向かう在来線の遅延リスクが大きいです。東京方面に通勤する場合、新幹線は20-30分おきのことが多いです。
その場合、せっかく新幹線の時間に間に合う時間に家を出ても、家から新幹線乗車駅に向かう在来線が遅延してしまうと、新幹線には間に合わず20-30分まつことになります。
新幹線に比べて在来線の遅延は頻繁に起きるので、かなりリスキーです。
毎回出勤前に在来線の遅延情報をチェックしたり、新幹線を20-30分待つ無駄な時間を考えると、新幹線停車駅に住む方が効率的だと思います。
3.観光客が少ない
車無しの場合は、駅の近くの生活圏で生活することになるので、駅の周りは栄えていることが理想です。
しかし、新幹線の止まる駅で、かつ駅の周辺が栄えていると、観光客が多くやってくる駅もあります。
例えば、那須塩原や軽井沢は新幹線で東京から約1時間ですし、夏は涼しいので魅力的です。しかし、駅にアウトレットモールがあるため、休日やバケーションシーズンには混雑しています。
観光客として訪問した際に魅力的だった駅も、日々生活してみれば「混雑していて生活しにくい」と感じることもあります。よって、可能な限り観光客が少ない駅を選ぶべきです。
おすすめは栃木の小山
上記選択基準で考えると、栃木の小山がオススメです。
- 車がなくても生活できる…駅の近くにイトーヨーカドー等スーパーや、ドラッグストア、病院、市役所、飲食店があるため、自転車にて生活することが可能
- 新幹線が止まる…東北新幹線では、「やまびこ」と「なすの」が停車します。
- 観光客が少ない…特に観光施設がないため、主に利用者はビジネスマンです。新幹線通勤客も多いです。
小山であれば、1LDKや2DKの部屋であっても、6-7万程度で住めます。東京の2分の1程度で、大変お得です。
出勤する際にも「やまびこ」や「なすの」は停車駅が多くて出張リーマンはいないので、空いています。また帰りも、東京駅から乗れば始発なので、確実に座れます。
さいごに
コロナ渦以降は、在宅勤務が進み、地方に移住する人も増加するでしょう。首都圏に住んでいる人は、今までは通勤の便利さを優先し、狭い部屋に住んでいる人が多かったと思います。
フットワークが軽い独身だからこそ、新幹線通勤範囲内の地方に引っ越し、広い家でおうち時間を堪能することが新しい理想の独身スタイルではないでしょうか。
こんな記事もあります。
独身の人が地方に移住する際には、「独身確定?!」と不安になるかもしれません。いっそ独身宣言をして気楽になってみてはいかがでしょうか。

