テレワーク下の管理職、何しているの?
コロナ渦以前は全員出勤が当然だったため、っているだけで「仕事している感」を醸し出すことができました。あなたの上司に関しても、根拠はなくとも「なんとなく忙しそう」というイメージを持っていたのではないでしょうか。
実際に私の上司もそうでした。元々部署の諸々の雑務をしていないにも関わらず、毎日謎に20時頃まで残業していて疑問に思っていました。
しかし、テレワークが常態化した今は、毎日定時に業務を終えているんですよね。
上記の通り、上司が実際は忙しいわけではなく、「忙しいフリをしていた」ことを知った今、
と思い始めた人は、多いのではないでしょうか。
日本では、スキルなし管理職にならざるを得ない
日本の働き方には、下記2種類が存在します。
- メンバーシップ型…職務を限定せず採用する、古くからの日本の勤務形態です。配置転換や転勤を伴うことに加え、「決まった時間、決まった場所」で勤務しなければなりません。
- ジョブ型…職務を限定して採用する、欧米型の勤務形態です。基本的に配置転換や転勤はありません。働く時間・場所を自由に選べます。
大企業を筆頭に、日本はメンバーシップ型がメジャーです。特定のスキルを伸ばしていく前提はなく、複数の部署を3-5年ごとに渡り歩いていきます。
その結果、日本特有の「専門スキルがない管理職」が完成するのです。みなさんの部署にも、下記のような上司がいるのではないでしょうか。
- 色々な部署を回ってきたことは知っているが、特に専門領域がない上司
- 他部署では実績があったみたいだが、今の部署の専門領域はない上司
2つに共通するのが、メンバーの方が管理職の上司よりも、現場の仕事ができることです。よって、現場の仕事において問題が生じたときに、対処ができない事態に陥ります。
「専門スキルなし管理職」は業務の実情が分からないことに加え、会社の理不尽な配置転換・転勤にも耐えてきたことから、優等生タイプである傾向にあります。
よって、自分の管理するチームメンバーよりは、下記のような現場と対立しがちなポジション側に味方してしまいがちです。
- 社内…経営・役員層、他部署、
- 社外…クライアント
私の上司もそうですが、問題が生じたときに、現場のことが良く分かっていない人に、「会社としてはxxの方針なんだから、xxしないとダメだよ」と言われると、
と感じますよね。
一緒に現場で戦っている人であれば理解もできますが、現場のことを分かっていない人に、会社やクライアントの理不尽な要望を押し付けられると、信頼も失いますよね。
管理職昇進への打診は断るべきか?
テレワーク推進においても、メンバーシップ型雇用は問題視されています。例えば、日立ではジョブ型採用を開始したことが話題になりました。
今後は、ジョブ型中心の時代になることは明確です。時間・場所を問わずに働けるので、働きやすさの面では断然有利ですし、専門性が明確なので転職もしやすく、人材の流動性アップに繋がるからです。
それでは、管理職昇進への打診は断るべきなのでしょうか。
私は、基本的には承諾するべきだと思っています。理由は単純で、昇給しないからです。
外資・日本企業の一部では、管理職を廃止している企業もあります。ただ、管理職の人数の割合を減らす可能性は多いにありますが、多くの企業は評価制度があるために廃止することは難しいと予想されます。
ただし、「専門スキルベースの管理職」になるようにしてください。現場の仕事は離れてはいけません。
せっかく専門スキルがあっても、一旦「専門スキルなし管理職」に移行してしまうと、スキルが陳腐化していまうためです。万が一、会社が管理職廃止にしても、現場メンバーとして十分通用する人であるためにも、専門スキルは手放すべきではありません。
専門スキルオンリーはハードルが高い
実際に専門スキルオンリーで、高給取りの人もいます。上層部に「一切マネジメントはしません」と宣言し、ひたすら専門スキルを伸ばしていくのも一手
しかし、「専門スキル役職なし」の設定する「専門スキル」のハードルがかなり高いことを心構えしておく必要があります。
「私はスキルアップに全力を注ぐから、大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、理想ではなく現実的に極められるか、は客観的に見極めた方が良いです。
社内の同じ専門分野の同僚、同業他社の知り合いやメンバー募集案件を確認してみてください。自分のスキルは最上位領域まで持って行けるでしょうか。
私自身も今の専門スキルは好きだし、伸ばしたいと思っています。しかし、会社に「マネジメントは一切しません!」をいえる程のレベルではないと自覚しています。
よって、結局は管理職への昇進を選択しました。業務割合に関しては、マネジメントと現場での仕事=3:7くらいで行っています。
収入を上げたいのであれば、両方が最強
管理職が完全廃止される可能性は低いですが、現在主流である「専門スキルなし管理職」が次第にポジション数が減らされ、消滅することは明確です。
今後は収入UPを目指していきたいならば、まずは専門スキルのレベルを向上させることに尽力しましょう。そして管理職の打診を受けた際には、可能な限りマネジメント業務の割合を減らすように交渉し、「専門スキルベース+マネジメント」を目指すべしましょう。
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