ワークライフバランス重視の人に事務職が人気
新卒での就職活動で企業を選択する際に、「事務職or総合職」という選択の機会があります。ワークライフバランスを重視する人に人気の職種です。特に女性においては転勤を避けたい人も多いため、女子学生においては人気です。
私は新卒の就活時には200社以上受けた中には事務職も含まれましたが、結局は総合職に就職しました。当時は落ちまくっていたので、「事務職or総合職」どちらに就職したいという希望も特になく、「受かれば何でもいい」と思っていました。
今まで4回の転職活動を経て、総合職・事務職の両方を経験してきました。30代になり周りの事務職の同僚や友人の愚痴を聞いていて思うことは、「新卒では事務職を選択しなくてよかった」ということです。
新卒では事務職をオススメできない理由はこちらです。
- 募集枠が少ない
- スキルが習得できない
- 年収が上がらない
- 人間関係に無駄な時間を消費する
- 教育を受ける機会がない
詳細を説明します。
新卒では事務職をオススメできない理由
1.募集枠が少ない
今まで新卒の事務職では、大人数を募集するために銀行や総合商社が人気の業界でしたが、近年は事務職の募集人数を大幅に削減しています。
産経新聞の記事にもある通り、総合商社の一般職は既に氷河期です。少し前であれば一般職の採用数は総合商社とメガバンクだけでも3,000人募集していました。
しかし、昨年は三菱商事や三井住友銀行が一般職の採用を実施しておらず、今年はみずほ銀行に続き住友商事も実施しないことになり、伊藤忠商事や丸紅もこれに続くことになると、一般職求人は激減することになります。
既に事務職は非正規雇用の割合が増加していますが、今後はAI化が進むことから、更に淘汰されることが予想されます。長期的に働きたい人には向いていないでしょう。
2.スキルが習得できない
総合職は就活の時からスキルが求められます。例えば商社であれば英語・中国語を話せれば有利です。一方で新卒での事務職採用は「顔」重視の部分が大きいので、スキル0でも入社できます。
スキルが必要ないポジションだから人気なわけで、当然入社後にも大したスキルは習得できません。私は今までのキャリアにおいて多くの事務職の人と接してきましたが、基本的スキルが身につけられていない人が多いと感じました。
仕事の進め方を習得できない
私は仕事の進め方の基本は下記3つと考えていますが、事務職では下記を身に着ける機会がありません。
- 時間通りに終わらせる
- 優先順位をつける
- 先回りして手をうつ
事務職の仕事の特徴は下記なので、「自分で考えて、自分で動く」機会がありません。よって、仕事の進め方を習得できないのだと思います。
- 日々の仕事がルーティーン
- 元々手持ちの仕事量が少ない
- 裁量権がない
終身雇用が確約されている時代であれば、ノンスキルでも問題ありませんでしたが、今後はスキルのない事務職は淘汰されます。スキルを習得できずに年齢を重ねてしまう事務職を選択することは、リスクが高いです。
3.年収が上がらない
年収が上がらないと、モチベーションは自ずと下がってきます。入社当初は手取り10万代でも、
と特に不満はありません。
しかし、20代も後半になってきて年収が上がらない現実に直面すると、不安になってきます。独身であれば「今後一人で生きていけるのか?」と未来に不安を感じ始めます。
また、既婚であっても3分の1が離婚する時代なので「離婚したいけど一人で生きていけない」という人もいれば、子供がいる人で旦那さんの収入が下がった人は、「もっと収入があれば、子供に良い教育を受けさせてあげられるのに」と思うでしょう。
事務職は評価に関係なく、毎年1万など少しずつ昇給する企業が多いです。しかし、今後は心の支えであった昇給も、事務職コストの削減が進む中でSTOPする可能性も大きいので、モチベーションを維持することが難しくなるでしょう。
4.人間関係に無駄な時間を消費する
事務職は女性が大多数のため、集団で群れる傾向にあります。ランチを毎日違う人といったり、毎日業務中にチャットしたり、面倒なことが多いです。
私はスキルを上げようと仕事を頑張っていたので、事務職の群れとは一線を引いて仕事をしていましたが、私も事務職時代に上司との評価面談で、
という謎のアドバイスをされたことがあります。。。
総合職であれば社内ネットワークを広げるメリットは大きいのですが、事務職内で仲良しこよしすることにはメリットがありません。事務職の人間関係構築は気を使うし時間も要する割に、お金になりません。
新卒以降の20代での時間は貴重です。20代後半~30代に結婚・出産を考えている人も多いと思いますが、家事・育児で時間が制限されることを考えると、新卒の会社で事務職の人間関係構築に時間を浪費することは避けたいところです。
5.教育を受ける機会が少ない
近年は人材育成に力を入れる企業も多いので、総合職に対しては講習やe-leaningなど研修メニューが用意されています。しかし、事務職は研修メニューを受けることはなく、体型的な研修を受ける機会がありません。
また、OJTも同様です。総合職のOJTにおいては、前述で述べた「仕事の進め方」含め、将来的に役立つスキルを習得する機会がありますが、事務職では簡単な作業の引継ぎで完了です。長期的に役立つスキルを身に着けることはできません。
私も20代においては優秀な総合職の先輩に仕事の基礎を教わり、現在もそのノウハウは非常に役立っています。20代の吸収力がある期間に、教育を受ける機会がないことは大きな損失です。
さいごに
今まではワークライフバランスを理由に事務職を選択する人が多かったですが、近年働き方改革により、総合職においてもワークライフバランスが整ってきています。また、総合職ではなくても、専門職であれば一定の年収を得ることも可能になってきました。
ワークライフバランスと年収の両立にはスキルが必要なため、新卒においては20代において一定のスキルを身に着けられる職種を選択することをオススメします。
年収を最速で上げたいならば、総合職から事務職に転換する「サンドイッチ事務職」が最適です。

これからの時代において、ALL事務職キャリアはリスクが高すぎます。

