ALL事務職キャリアでは、今後生き抜けない
昔から事務職は女性に人気の職種です。正社員の事務職の募集だとものすごい競争率になります。
特に日本の女性は先進国の中でダントツで男性社会ということもあり、社会での生きにくさを考えると事務職を選択する女性が多いことも自然な流れです。
一方で、事務職の平均年収は300万程度(出典:マイナビAGENT「営業事務・一般事務」)ということもあり、年収に不満をもつ人が多いのも事実です。
大都市に住んでいる独身の人であれば、家賃が高いこともあり、「将来90歳前後までお金が持つだろうか…」と不安になる人も多いでしょう。
また、既婚であっても旦那さんの収入が将来安定な世の中でもないので、「旦那の収入が減ったから今後の生活が不安」という人もいると思います。子持ちであれば「もっと稼いで、子供に良い教育を受けさせたい」という人もいるでしょう。
「サンドイッチ事務職キャリア」を提案
私自身は総合職でデビューしましたが、パワハラ上司で心が折れたこともあり、事務職に転換した経緯があります。その後は事務職と総合職を往復するキャリアでしたので、双方のメリット・デメリットを理解しています。
ただ、ALL事務職キャリアはもう限界だと感じています。事務職の人でも、キャリアの間に
総合職の間に挟むべき「サンドイッチ事務職」を提案しています。
という人もいると思いますが、ALL事務職キャリアを薦めない理由はこちらです。
- AIに代替される可能性が高い
- 若い人材が好まれる
- スキルを身に着ける機会がない
- 頑張っても頑張らなくても、給与は同じ
- ヤバい先輩が多い
詳しく説明いたします。
ALL事務職キャリアを薦めない理由
1. AIに代替される可能性が高い
プレジデントの「AIに取られる仕事ランキング」では、2位に位置している事務職。

50年後ならまだしも、10年後にはAIに代替されます。
すでに多くの事務職が非正規社員に変更されています。最近は多くの事務職の仕事がクラウドサービスとして登場しており、RPA化・アウトソーシングされる傾向にあります。既に、「事務職の仕事は人が担当する必要はない」という動きが急速に進んでいます。
現在20-30代の女性の多くは90歳前後まで生きることを考えると、ALL事務職キャリアのリスクが高いことが伺えます。
2.若い人材が好まれる
以前は事務職は「寿退社」が前提だったこともあり、「若い人材」が好まれます。
先日事務職を正社員で募集したことがあり、優れたスキルがあり希望年収も問題ない35歳の女性がいたので、男性上司に推薦したところ、
という回答があり、絶句しました…。なんだそれ…。。。
今まで4回転職してきましたが、どの会社も偉い男性のおじさんの事務職への希望は、
- 20代
- 可愛い
- 従順
で共通しています。
よって、30代以降になると女性は事務職に合格しなくなります。キャリアがあってもなくても関係ないです。Officeがスキル0でTOEICが200でも、可愛い23歳女子は合格できるのです。
今後、歳を取った時にしんどくないですか?
あなたが今後一生お金に困らない男性をGETできる(既にGETしていれる)確証があるのならば、ALL事務職キャリアを選択しても問題ないでしょう。
ただ、「一生独身の可能性がある」or「旦那さんの収入が一生安定的ではない」ならば、仕事を続ける可能性が高いですよね。「若いだけで優遇される」事務職キャリア、辛くないですか?
3.スキルを身に着ける機会がない
総合職であれば社内研修や上司の指導を受ける機会が多く、20代においてスキルを身に着けられる環境が整っています。
私自身も20代での総合職での経験では辛いことが多かったですが、30代においてその経験は確実に役に立っています。
一方で、事務職は社内研修の機会もないですし、上司の指導を受ける機会もありません。元々難易度の高いことをやっているわけではないので、そもそもスキルを身に着ける場は必要ない、という位置づけです。
確かに平和といえば平和ですが、23歳の新人と50歳になった自分が同じ仕事をしている未来って怖くないですか?
今後AI化で事務職のポジションが減少していくことを考えると、年齢とともにスキルを身に着けられないことは大きなリスクになります。
4.頑張っても頑張らなくても、給与は同じ
確かに最高ですよね。私はコンサル時代に能力主義で苦しい思いをしてきたこともあり、事務職に転換したときには、
と感動しました。
ただ、人間としてダメになっていきますよね。
例えば、とあるエクセルの作業がありました。私はエクセル機能を駆使して1時間で作業を完了させました。同期のB子はエクセルが苦手のため、電卓を使って1日かけて作業を完了させました。
結果として2人とも仕事は終わらせているので、評価は同じです。
…つらくないですか?
事務職の仕事が永遠であれば「みんな平等」はHAPPYです。しかし、今まで述べてきたように今後は消滅していく職種です。特に20-30代の人は今後の人生長いので、スキルを身に着けようと頑張る人もいるでしょう。
そんな人達にとって、「頑張っても頑張らなくても給与は同じ」って人間のモチベーションを下げますよね。
5.やばい先輩が多い
事務職の女性と話していて共通しているのが、とにかくヤバい先輩が多いんですよね。
総合職でもヤバい先輩はいます。私もコンサル時代にヤバい女上司に遭遇し、毎日パワハラをされて、死にそうになりました。ただ、総合職のヤバい女性は仕事はできることが多いのも事実でs。
事務職でも勿論、素敵な先輩はいます。ただ、ヤバい先輩の出現率が高いです。ヤバい先輩の共通点は、仕事ができないんですよね。そして、どうでも良いことに文句を言ってくる。
下記条件がそろう事務職の先輩は、ヤバい女性になる傾向があると思います。
- 暇
- 仕事ができない
- 現状に不満がある
ヤバい先輩に対応している時間や、イライラしている時間は人生で最も無駄ですよね。
私は途中で専門職にシフトしましたが、一人もヤバい人に遭遇したことがありません。やはり、一定のキャリアがある人は忙しいですし、現状に満足しているので、健全な人格をしています。
さいごに
事務職、総合職になるとけっこう「好き嫌い」の話になります。
仕事を好き嫌いでジャッジするのは女性特有な気がします。世の中の男性は全員が好きな仕事をしているとは思えませんよね。
好きでも嫌いでも、仕事に対する感情は捨てましょう。事務職が淘汰されるのは確実なので、感情を排除して生き残れる道を探しましょう。
流動性にあるキャリアを築こう
ALL事務職キャリアの最大の欠点は流動性がないことです。
総合職から事務職に転換することは可能ですが、事務職から総合職への転換のハードルは高いです。実際に「事務職畑30年の50代の人が総合職に転換できるか」と考えると、かなり厳しいですよね。
つまりは、事務職を選んだ時点で年収の限界が見えていえるということです。年収は下げることは簡単ですが、上げることはいばらの道です。今まで述べてきた通り、キャリアアップができない事務職を選んだ時点で年収UPの道は閉ざされたといえるでしょう。
だからこそ私は事務職希望の人に対して、ALL事務職キャリアではなく、「サンドイッチ事務職」=総合職の経験を挟むことを推奨しています。
ずっと事務職であれば年収UPの転職は望めませんが、途中で総合職を挟めば年収を上げることは可能です。
ALL事務職キャリアに未来はありません。今後も働きたい人は、流動性のあるキャリアを目指していきましょう。
