女性で昇進を望む人は1割
日本では諸外国に比べて、女性の管理職割合が低いことが問題視されています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」によると、 課長以上への昇進を希望する者の割合は,男性(一般従業員の5~6割,係長・主任の7割程度)に比べて女性(一般従業員の1割程度,係長・主任の3割弱)で顕著に低くなっています。
昇進を望まない者理由については、「自分には能力がない」「責任が重くなる」を挙げる者の割合は男女でほとんど差はありません。
一方で、「メリットがないまたは低い」「やるべき仕事が増える」という理由は男性が女性よりも多く、「仕事と家庭の両立が困難になる」や「周りに同性の管理職がいない」という理由は女性が男性より多く挙げています。
私の周囲を見渡しても、昇進を望まない人は多いです。私自身も元々昇進に興味はありませんでした。ただ、仕事をしていく中で「給与を上げたい」「仕事の自由度を上げたい」と思うようになり、結果的には昇進を選択しました。
今回は実体験を踏まえて、昇進のメリット・デメリットをまとめました。
昇進のメリット
1.給与UP
日本企業で大幅に給与をあげたければ、昇進するしかありません。年功序列から実力評価に移行しているとはいえ、昇進せずに評価だけで50万円以上年収をUPさせるのは、日本企業では無理だと思います。
周りの女性では、「昇進せずに、給与をUPさせたい」という人が多いですが、現実では不可能です。同じポジションにステイしていても、多少のボーナスの変動はあれど、基本給は大して上がりません。
今の会社で給与UPしたいならば、昇進を選択せざるを得ません。給与というリターンを得るために、昇進という多少のリスクを得る必要があるということです。
2.自由度UP
役職が低い程、仕事の裁量権はありません。指示を受ける立場で居続ける限り、自分の裁量で働くことはできません。
昇進すれば、自分の意向にて仕事を進められる範囲が広がります。上司の指示待ちをしたり、帰り間際に上司に仕事を振られてイラッとすることもなくなります。
私の周囲でも、昇進してから子供を産んだ人は「自分の裁量で仕事できるから、出産前に昇進しておいてよかった」と言う人は多いです。
3.転職しやすくなる
転職の時は、どんなに頑張っているエピソードをしても説得力は限定的です。他候補者も同様のエピソードトークをしているからです。
一方で、「入社後2年でxxに昇進しました」という具体的なエピソードは説得力があります。昇進エピソードは、今の会社での評価の証明になります。特に短い期間で昇進していれば、有利になります。
昇進のデメリット
1.忙しくなる
昇進を望まない人の理由として、「忙しくなる」を上げる人は多いです。確かに業務範囲が変わる人が多いでしょう。今まで作業要員だった人は、管理業務が加わります。初めは残業時間が増えることは確実でしょう。
ただ、管理業務にも慣れが生じてきます。昇進した直後に残業時間が大幅に増加したとしても、慣れれば減少できる余地はあります。残業時間が多少増えたとしても、それに給与UPが見合うならば、昇進を選ぶ方が良いでしょう。
2.会社員である限り、自由度には限界がある
私は自由度を求めて昇進を選びました。確かに昇進前のポジションよりは、自由度は上がりました。よって、昇進によってある程度の自由度を獲得することは有益だと考えています。
ただし、社長にならない限りは、いくら昇進しても上には上がいます。よって、昇進しても自由度には限界があります。会社員である限り自由度には限界があるので、完全なる自由を獲得したい人はフリーランスになるしかないと思います。
よって、昇進によって「自由になれる!」と期待値は上げ過ぎず、「ある程度、自由度が上がる」程度に思っていた方がよいです。
3.同じ役職に女性が少ない
昇進するほど、同じ役職に女性は減っていきます。社内の管理職限定の研修に出席すると、男性トイレは長蛇の列ですが、女性トイレはガラガラで、頭では理解しているものの改めて女性の少なさに驚愕します。
社内で悩みがあっても、共有できる女性が少なくなってきます。下のランクである間は、皆で上司の愚痴を言うのが楽しかったりしますが、昇進していくにつれて上司の苦労も理解できてしまうので、楽しく話せなくなる人もいるでしょう。
社内で自分よりも上ランクの女性と仲良くなれると、相談もしやすくて最良です。ただ社内に女性の上司がいなかったり、相談しにくいキャラである場合もあるでしょう。その場合は社内の男性上司で相談できる人、社外の女性で相談できる人がいると心強いです。
さいごに
昇進してもしなくても、仕事は面倒で大変なものです。それならば、給与は高い方がいいですよね。私はそう考えて昇進しましたが、実際は給与・自由度が共に向上したので、昇進してよかったと思っています。
昇進できるチャンスがあるならば、一旦昇進してみて様子を見てみることをオススメします。昇進した後に辛ければ、降格してもらうことも問題ありません。
また、今後の長いキャリアにおいて転職を避けて通れない人が多いと思います。その時にも役職は有効な札になるので、転職を考えている人も昇進して給与をUPさせておくことをオススメします。
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昇進するためには、社内の評価を高める必要があります。社内評価を高めるポイントはこちら。

今後は年功序列から能力主義に移行が進みます。「仕事の評価が高い人」になりましょう。

